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南京虫(トコジラミ)がファブリーズに効く科学的根拠はある?

SNSでまことしやかに囁かれる、南京虫(トコジラミ)をファブリーズで駆除できる説。駆除の難しいとされる南京虫だからこそ、身近なもので退治できるのならそれに越したことはありませんよね。

しかし、気をつけたいのが誤った情報に基づいて被害を拡大させてしまうことです。南京虫は素早く動きます。効果が見込めない液体を噴霧することで、せっかく一箇所にまとまっていた個体を拡散してしまう危険性もあり得ます。

ファブリーズに殺虫成分は含まれていない

まず押さえておきたいのが、ファブリーズに害虫駆除を目的とした成分は含まれていないということです。

ファブリーズの製品によって具体的な配合は異なりますが、基本的には臭い対策に特化した成分で構成されています。

主には、サイクロデキストリンという汚臭分子を包み込む消臭成分と、人が心地良いと感じる香りを持つ香料です。いずれも、南京虫をはじめとする害虫に対する効果は、少なくとも科学的には確認されていません。

殺虫効果は100%のデマか

ただ、SNSでシェアされる情報が100%デマかというと、そうとも限りません。

ファブリーズの消臭成分であるサイクロデキストリンは、界面活性剤の一種です。界面活性剤とは、水と油のように混じり合わない物質の境界に作用し、2つが混ざり合うのを助けます。例えば食器用洗剤などが油汚れを落とせるのは、この界面活性剤の働きが大きく作用しています。

サイクロデキストリンも、似た働き(内部に油分を持つ汚臭物質を取り込む作用)によって消臭を実現しています。実はこの作用によって、昆虫が窒息死する可能性はゼロではありません。

界面活性剤が害虫を窒息させる?

南京虫をはじめとする多くの昆虫は、人をはじめとする哺乳類と大きく異なる方法で呼吸しています。気門と呼ばれる穴が体表面にいくつも空いていて、そこから空気を取り込んでいるのです。

ただ、体の穴で呼吸しようとすると、1つ大きな問題があります。水です。息を吸おうとしているのに水が入ってきたら、溺れてしまいますよね。生物の体というのはよくできていて、昆虫の気門の構造は非常に繊細で、しかも水を弾く性質を持っています。

界面活性剤は、物質の境界に作用して、混ざり合う手助けをします。これが気門に付着すると、通常であれば侵入してこないはずの水が体内に流れ込んでしまい、窒息する可能性があります。

現実に、こうした原理を活かして作られている害虫駆除剤も存在します。

ただし再現できるかは別の話

つまりファブリーズに限らず、界面活性剤を含む衛生用品であれば、南京虫に作用する可能性は存在します。

ただしこれが再現性を持つかどうかは、まったく別の話です。原理的には可能性があると言えますが、推奨できるかと言えばできません。界面活性剤に殺虫作用が見込めるとしても、薬剤の種類や濃度、昆虫ごとの気門の構造の違いなどによって、結果は大きく違ってくるからです。

ファブリーズは安全が確認されている薬剤ですから人体に害はないかもしれません。しかし不用意な対策で南京虫を拡散させるのは絶対に避けるべきです。

自分たちだけで被害が留まればまだ良いのですが、アパートやマンションの場合近隣にも被害が拡大し、辛い思いをする人たちも現実にいます。

南京虫の対策はまず専門家に相談

駆除を依頼する、しないは別にしても、南京虫の対策はまず専門家に相談しましょう。

業者が苦手、信用できない、ということであれば、各市区町村の福祉保健センターの生活衛生課にも窓口があります。

コロナウイルスがひと段落したことで観光客が増え、それに伴って南京虫の被害も急増しています。一般にイメージされる害虫よりもずっと厄介な害虫ですので、くれぐれも準備なしで対処しないようにしてください。

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