ダニに効果があるだけじゃない?殺虫成分ピレスロイドとは

ピレスロイドは、ダニ、ハエ、蚊、ゴキブリなどの害虫を駆除する殺虫剤に多く含まれている成分です。

古くから蚊取り線香の原料として使われてきた「シロバナムシヨケギク」の花に含まれる天然の殺虫成分をピレトリンといいます。そのピレトリンとよく似た作用を持つ化合物がピレスロイド。ピレスロイド系の化合物には様々な種類があり、それぞれの特徴に合わせて、家庭用の殺虫剤に配合されています。

今回は、ピレスロイドの特徴や種類について詳しく解説していきたいと思います。

殺虫成分ピレスロイドの5つの特徴

殺虫成分ピレスロイドには、主に5つの特徴があります。

速効性がある

動いている虫にピレスロイド配合の殺虫剤を吹きかけたら、すぐに動かなくなり絶命したという場面を見たことがある方も多いでしょう。これは、ピレスロイドの殺虫効果に速効性があるためです。

素早く動く虫にも、少量吹きかけるだけで効果があります。

フラッシングアウト効果がある

フラッシングアウト効果とは、虫を潜伏先から追い出す効果のこと。たとえば本棚の裏に潜んでいるゴキブリに対してピレスロイド系の殺虫剤を吹きかけると、潜んでいた物陰から明るいところに飛び出してきて絶命します。

これはピレスロイドが、虫の皮膚や口から体内に入り、神経系に作用して錯乱状態にさせるためです。

忌避効果がある

忌避効果とは、虫を寄せ付けない効果のことです。殺虫だけでなく虫の予防にも効果的なので、虫が増える時期の前や、新居の入居前などに使用するのも良いでしょう。

ピレスロイドの忌避効果が高いことから、網戸や窓ガラス用の虫除けスプレー、エアコンの室外機の防虫キャップなどにもよく配合されています。

人体への安全性が高い

殺虫効果が高いピレスロイドですが、人や犬、猫などのペットには害がなく、安全性が高いのが特徴です。

ピレスロイドは、虫の体内に侵入し神経系を攻撃することで絶命へと追い込みます。しかし人間や犬、猫などの場合は、体内に入ってしまっても神経系に届く前に体内で分解して排泄することができるため、ほとんど害がないのです。

ただし安全性が高いからといって、殺虫剤を大量に吸い込んだり、誤飲したりすると、害を及ぼすことがあります。

殺虫剤は十分に換気しながら使う、子供やペットの届かないところに保管するなど、記載されている使用方法は必ず守るようにしてください。

また、カブトムシやクワガタ、熱帯魚や金魚などを飼育している部屋では使用しないよう注意しましょう。

環境に優しい

ピレスロイドは他の殺虫成分よりも分解されやすい、短時間作用型という性質があります。虫に対して殺虫剤を吹きかけてもすぐに分解されてしまうため、環境にも優しい殺虫成分だといえます。

ゴキブリにはピレスロイド系殺虫剤が効かないことも?

殺虫効果が高く、安全性も高いピレスロイド。スーパーやドラッグストアで手軽に手に入る家庭用殺虫剤に多く使用されてきました。

しかし、最近はピレスロイドへの耐性を持つ個体が増加し、ピレスロイド系の殺虫剤を使ってもゴキブリを駆除できないと嘆く人が増えているのです。

実は、数多くいるゴキブリの中には、ピレスロイドに耐性を持つ個体がもともと存在していました。

ゴキブリは、驚異的な繁殖力を持つ害虫です。耐性を持たない弱い個体は次第に淘汰され、耐性を持つ個体が繁殖。ゴキブリは寿命が短く世代交代のスピードも速いため、耐性がどんどん強化されて、ピレスロイドを配合した殺虫剤を使っても駆除できない個体が増えているというわけです。

ピレスロイド系殺虫剤で効果がない場合は、他の殺虫成分を使った殺虫剤に切り替えてみましょう。置き型の殺虫剤の場合は、置き場所を変えてみるというのも一つの手です。

それでも効果が感じられない、飲食店などでとにかく早く駆除したいという場合は、害虫駆除業者への依頼を検討してみましょう。