放置して大丈夫?トコジラミに刺された場合の対処方法

トコジラミは、カメムシに似た外見の、暗闇や湿気を好む吸血性の昆虫です。その性質から寝室を好み、主に就寝時に這い出てきて、呼吸の二酸化炭素を頼りに人の血を吸います。

国内はもとより、世界的にも一度は根絶したかに思われたのですが、2000年代に入って現在主流のピレスロイド系と呼ばれる殺虫成分に遺伝的な耐性を獲得した個体が海外で増加。日本が訪日旅行に力を入れ始めた2010年代以降、国内でも殺虫剤が効きにくい個体による被害が増え続けています。

殺虫剤が効かないという厄介さはもちろんですが、ダニやノミに比べると今ひとつ知名度が低く、被害にあっていても気づきにくい(ダニ・ノミと誤解してしまう)点が、被害の長期化を助長しています。

本ページでは、そんなトコジラミに関して、刺された場合の症状の特徴や主な治療方法を解説していきます。

トコジラミに刺されたらどうなるのか?

トコジラミに一回刺されただけでは、血が僅かばかり減るだけで特に影響はありません。伝染病を媒介する可能性もゼロではありませんが、今のところリスクがあるレベルで確認されてはいないようです。

吸血中の姿はグロテスクですが、眠っているため目の当たりにすることはないでしょう。

ただ、二回目以降に刺されると、体内の抗体が反応してアレルギー反応を引き起こし、発疹や痒みが出てきます。症状の出方や出るまでの時間は刺された回数や体質によって異なりますが、多くの場合激しい痒みに悩まされることになります。

画像引用元:一般向けトコジラミ(ナンキンムシ)の知識(PDF:972KB)

画像引用元:一般向けトコジラミ(ナンキンムシ)の知識(PDF:972KB)

被害を受けた方の中には、痒みで眠れず、不眠症気味になってしまう人もいるほどですから、決して軽く見ることはできません。

基本的には放置しても問題ないが…

トコジラミに刺されても、我慢できる程度の痒さであるのなら、放置しても問題はありません。

ただ痒くて家事や仕事に集中できなかったり、爪でかきむしってしまうような場合は、皮膚科の受診をおすすめします。爪で傷ついた皮膚が炎症を起こしたり、痒疹という、痒みを持ったまま皮膚が硬くなってしまう症状に発展してしまう可能性があるからです。

また、痒み以外に嘔吐感や発熱といった諸症状がある場合も、速やかに医師の診断を仰ぐことが大切です。

病院での治療は外用薬が基本

病院での治療ですが、基本的には腫れや痒みを抑えるためのステロイド軟膏(コルチコステロイドを含むクリーム剤)、または抗ヒスタミン薬の内服薬が処方されます。ケースバイケースで、双方を同時に使用することもあります。

多くの場合、症状は一週間前後で落ち着きますが、トコジラミが繁殖している場所で就寝を続けると、継続的に被害にあってしまう可能性が非常に高いです。

刺された部位の治療と併せて根本的な駆除を行うか、緊急避難的に別の場所で就寝する(あるいは電気をつけたまま寝る)などの対策が必要です。

トコジラミを完全に駆除する方法

トコジラミの駆除は、自身が専門家ではない限り、業者に依頼するのが前提です。

なぜなら市販の殺虫剤の大半に対して耐性を持っている可能性が高く、また繁殖力も強いため、潜伏場所を確実に見つけて卵を根絶する必要があるからです。

不用意に殺虫剤を使ってしまうと、効果がないだけなく、他の部屋への拡散を招いてしまうリスクがあります。

駆除までに掛かる時間とコストを最小限に抑えるには、トコジラミ被害が発覚した時点で可能な限り早く業者に相談するのがベストの方法と言えます。

予防が最大の対策になる

トコジラミは、一度繁殖を許してしまうと簡単には駆除できません。

そのため、トコジラミの被害、恐ろしさをよく理解し、普段から対策を徹底しておくことが大切です。

外部から持ち込まれる害虫ですから、馴染みのない場所に宿泊するような場合は、帰宅前に荷物の隅々までチェックすることをおすすめします。衣類はもちろん、カバンのヒダや靴の縫い目など、トコジラミが隠れられる場所は隈なく確認しましょう。

また、普段からトコジラミの繁殖しづらい環境を整えておくことも大切です。隙間は目張りをしたり、室内の障害物を減らしたり、整理整頓を心がけるだけでも、効果はあります。こまめに風を通したり、掃除機を掛けたり、湿気や空気が停滞しないよう気を配ることも有効です。