介護施設でCOVID‑19感染者が出た場合の消毒・清掃はどうすればよいか

介護施設では、多くの高齢者を収容します。基礎疾患を抱えている方が多い上、認知症を患っている場合は感染対策への協力を仰ぐことも難しく、介護サービスの事業者は日頃から厳しい基準を設けて感染予防を実施しています。

しかし、要介護者をケアするというサービスの性質上、どうしても人同士の接触は発生するものです。どんなに気をつけていても、感染者が出てしまうリスクはゼロにできません。

このページでは、介護施設でCOVID‑19(新型コロナウイルス感染症)が出た場合に、どういった対策を取ればよいか。厚生労働省老健局がまとめている(社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について)などを参照しながらまとめてみたいと思います。

COVID-19感染者が出た場合にすべきこと

まずは、介護施設の利用者、あるいは職員にCOVID-19の感染者が出た場合にまず行うべきことを見ていきましょう(確定していなくても、感染が疑わしければ以下の取り組みが推奨されます)。

情報共有・報告

介護施設の関係者にCOVID-19の感染者が出た場合、まず行うべきことは施設全体、そして利用者の家族への情報共有です。

また、指定権者の市町村への連絡も忘れずに行う必要があります。

感染疑いの場合も同様の連絡が必要ですが、独自に判断するのではなく、まずは「新型コロナウイルスに関する相談・医療の情報や受診・相談センター」
へ電話し、指示を仰ぐことが大切です。

消毒・清掃の実施

関係各所への情報共有を行ったら、施設内の消毒を行います。
感染が確定している場合は、保健所のスタッフから指導があるケースも多いです。指示に従って、消毒や清掃を実施してください。

手順としては、COVID-19患者の居室、そしてその利用者が使ったと思われる共有スペースをすべて洗い出し、消毒用エタノール(または次亜塩素酸ナトリウム液を含む消毒薬)で清拭するのが一般的です。

消毒用エタノールは、濃度70%以上95%以下、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)は、濃度0.05%が推奨されています。次亜塩素酸ナトリウムに関しては、肌に付着すると火傷してしまったり、酸性のものと混ぜると塩素ガスが発生する恐れがあります。扱いには十分注意しましょう。

モノに付着したウイルスの除菌については、厚生労働省のホームページ(新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について|厚生労働省)で詳しく方法が紹介されています。施設のスタッフが対応する場合は事前にこちらを確認されることをおすすめします。

もちろん、消毒・清掃業者に委託するのも自由です。専門知識がないと不安、という場合は、外部業者を検討されてみてください。

なお、自分たちで対応するにせよ、外部に委託するにせよ、費用は自己負担です。ただ、多くの地方自治体はCOVID-19患者が出た施設の消毒や清掃に対して、補助金制度を用意しています。各公式サイトで給付要件等が好評されていますから、消毒の実施と並行して調べておくと良いでしょう。

疫学調査への協力

COVID-19患者が出た場合、保健所はそれ以上の感染拡大を防ぐために疫学調査を行います。介護施設にも、その調査への積極的な協力が求められています。

具体的には、濃厚接触者の特定と共有です。またそのために、ケア記録や面会者の情報提供を行うこともあります。

ちなみに、濃厚接触者として疑うべき条件は、以下のようなものです。

  • COVID-19患者と長時間の接触があった
  • 適切な感染対策をせずにCOVID-19を診察・看護・介護していた
  • COVID-19への感染が疑われる人の気道分泌液・体液・排泄物等の汚染物質に触れた(可能性がある)

オミクロン株においては、これ以上に厳しい条件で濃厚接触者と判断されます。いずれにせよ保健所の指示に従いながら、透明性の高い情報共有を行うことが最善と言えます。