クレベリンは何が問題だったのか

クレベリンは、大幸薬品が手掛けているウイルスの除去や除菌、消臭が手軽にできる衛生管理製品をラインナップするブランドです。

店頭やテレビCMなどで目にする機会も多く、商品を買ったことはなくとも名前は知っている、という人は多いのではないでしょうか。

コロナ禍を背景に売上を伸ばしていた同ブランドですが、2021年11月、そのうちの6商品に対して消費者庁が措置命令を出し、評判が急降下。

大幸薬品が措置命令の差し止めを求めたこと。6商品のうち2商品の差し止めが認められたことに対して、消費者庁と大幸薬品の双方が控訴したこと。また高裁で地裁の判断が覆り、6商品すべての措置命令が認められた形となったことから、今後の対応が注目されています。

本ページでは、クレベリンのどういった点に問題があったのかを解説したいと思います。

クレベリンは二酸化塩素でウイルス除去・除菌をする製品

クレベリンは、二酸化塩素の持つ強い酸化力を利用して、ウイルス除去や除菌を行います。

従来、二酸化塩素の濃度を液体の中で一定にするのは非常に難しいことでした。大幸薬品はこの課題を克服し、その技術を応用して二酸化塩素を溶かした液剤、ゲル剤を開発。クレベリンブランドが誕生します。

安定化が難しいこともあり、二酸化塩素を使った製品には昔から疑問の声がありました。

ただ、国民生活センターが2010年に行った調査によると、クレベリンは確かに二酸化塩素ガスを安定して放散していたという結果が出ています。

ただしその効果が認められる環境は限定されている

二酸化塩素にウイルスの除去や除菌の効果があることは、さまざまな実験から確かめられている事実です。

ただしそれらの実験は閉鎖空間で行われたもので、一般的な家庭で使用する場合に同様の効果が期待できるものではありません。例えば同じ部屋でも、ドアや窓の開閉、風の有無などの条件によって結果に違いが出ます。

余談ですが、クレベリンに限らず、二酸化塩素を使った衛生管理製品の中には、「ウイルスや菌を99%除去」というようなキャッチコピーを持つものが少なくありません。これは閉鎖空間で行われた実験の結果に基づいた数字で、必ずしも製品の効果を表すものではない点に注意が必要です。

二酸化塩素は消毒薬ではない

ウイルス除去、殺菌作用こそあるものの、二酸化塩素は消毒薬として認められていません。そのため空間除菌を謳う商品は雑貨扱いとなります。

食品添加物として使われることもあり、経口接種での安全は確認されていますが、一方でガスとしては反応性が高く、低濃度の長期吸引が人の体にどの程度の影響を与えるのか厳密な調査はされていません(※日本二酸化塩素工業会により、一生吸っても問題のない安全基準はありますが、国の標準規格にはなっていません)。

また酸化作用が強いことから、二酸化塩素系除菌剤が近くにあると金属が腐食するという指摘も上がっています。

広告表現を裏付ける客観的な根拠が認められなかった

クレベリンの問題は、実態と広告表現が乖離していた点にあります。

消毒薬ではないのに、「空間に浮遊するウイルス・菌を除去」というような表示をしており、優良誤認にあたると判断されたわけです。

大幸薬品は消費者庁の求めに応じて根拠となる資料を提出しましたが、結局合理的な根拠とは判断されず、措置命令は覆りませんでした。

2022年4月末時点では、最初に措置命令が出された6商品すべてに対して「空間除菌をうたう合理的な根拠はない」と判断されています。

とはいえ、現段階では大幸薬品が上告する可能性も残されており、完全な結論は出ていません。上告するにせよしないにせよ、大幸薬品の今後の動向が注目されます。